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おまけ―牧神パンがくれた恋?―

 ここでは私の完全独りよがりなぶっちゃけで主人とのなれそめ(( ´∀` ))と、この地「函南(かんなみ)」との不思議な縁の話を…


 主人と私が知り合ったのは、プロフィール(トップページに戻って見てみてねー)でも簡単に書いたとおり、外出先の古書店で主人が書いた自費出版本「ピュアタウン」を私が手に取ったことが発端です。

 当時、自然食品店でのバイトの傍ら、町おこしやら起業の勉強会やらしているのNPOに出入りしており、視察の一環として東京のとある駅前に待ち合わせしようということになりました。当日、視察先自体は駅の反対側の障碍者雇用をしているパン屋さんだったのですが、時間よりずいぶん早く着いた私は駅前をぶらぶらし、とある古書店の店頭に置かれていた本の背表紙にふと目が止まりました。パラパラとめくった私は何となく気に入り、それを手に持ちながら、店内に入り一通り様々な本を見た後、レジで代金を払って店を出ました。
 数日かけて読み終えた私は、あとがきに書かれていた文面が気になり、応援したい気持ちになりました。が、連絡先も無いし、当時はネットもようやく普及始めたばかりの頃。さてどうしようかと思ったのですが、ふと、とある本のエピソードで、海外の本を翻訳するために版権を譲って欲しいと出版社に手紙を出し、何カ月か後に著者と連絡が取れた話があったの思い出し、出版社あてに手紙を出してみました。

 それから1カ月たった頃でしょうか。返事が来たのは。

 クローバーが描かれた淡い緑色の封筒に書かれていた住所はあまり聞きなれない住所。

 だけど、知っていた場所。行ってみたいと思っていた場所…だったのです。

 時は遡り、中学生の頃のこと。環境問題から始まり、農業や自給自足についての本を市立図書館で漁っていた私は「藍の来た道」(村上道太郎著 岩波新書)という本に出会い、心ひかれて何度も借りました。後に購入し、大切(もちろん今も)にしていました。

 そこに書かれていた道太郎さんの住所、連絡先がまさしく今いる場所(正確には同じ学区)なのです。
 残念ながら、いつか会ってみたいと思っていた道太郎さんは、私が高校生の頃事故でお亡くなりになり、それを新聞記事で知った時とても悲しかったのを覚えています。

 そして、この地に移り住み、数年後、当時野菜をとってくれていたお得意さんの数軒手前の空き家の前で私はようやく〈会う〉ことが出来ました。

 恐らく道太郎さんが大切に使っていたであろう大きな「藍瓶」、です。

 お得意さんの話では、道太郎さんが亡くなられた後数年して奥様も亡くなり、東京の方にお墓があるらしい…とのこと。現在ではこのお得意さんの取引も無くなり、どのようになっているのかわかりませんが、時々、ふと思い出すことがあります。


 牧神パンがくれた恋。それは〈悲しいまでに美しい青空の色〉でした。


 ちなみに、この場所についてもう一つ話があって…。
 結婚する少し前、先の勤めていた自然食品店のお客様に「このお菓子いいわよ」と勧められた商品の住所がまたしてもこの住所。何を隠そう、「大地を守る会」の農産加工品工場関連の子会社である「フルーツバスケット」さんもこのご近所。そして有名な「大地を守る牛乳」を製造しているのもここ函南なのです。

 そして現在、同じ敷地のレストランでせっせと洗い物をしています。以前は名物のソフトクリームを販売するセクションでしたが、紫外線と人込みがダメなため、こちらに異動になりました。病気に罹患してもなお雇用してくださったオラッチェと変わりなく接してくれる職場仲間に感謝!! 




聖なる笛パンフルート―牧神パンと私―目次


パンフルートってどんな楽器?―その姿と名の由来―
悪魔にされた牧神パンの話―ギリシャ神話から現代まで―
音楽と農業の関係―自然のハーモニーと人間と―
パンフルートが響く世界に―牧神パンの想い―
おまけ―牧神パンがくれた恋?―

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